宇宙核反応の研究
宇宙における元素合成過程の研究は宇宙の進化のメカニズムや諸現象の解明に重要です。
水素原子核(陽子)はビッグバン直後に起きたQGP相転移で作られました。
その後に起きたビッグバン元素合成により重陽子、ヘリウム3,4、リチウム6,7などが作られました。
炭素より重い元素は恒星、新星、超新星、中性子星合体等で作られたと考えられています。
しかし、右図に示した太陽系の元素の相対組成の観測値はまだ元素合成計算では再現出来ていません。
この原因の1つは、元素合成に関する原子核物理のデータが不足していることにあります。
本研究室では、宇宙で起っている元素合成反応の中で重要は反応を選び、その反応を実験室で測定し、その起りやすさ(反応断面積や反応率)を決定しています。
現在は、ビッグバン元素合成における宇宙リチウム問題に関する研究の研究を行っています。
これはリチウムの観測値がビッグバン元素合成モデルの予想値の1/4〜1/3しかないというもので、ビッグバン元素合成におけるの最重要課題の1つとなっています。
|