短寿命核ビーム物理グループでは、短寿命の原子核ビームを用いた実験を行うことで、宇宙や星で起きている原子核反応(天体核反応)の研究や、短寿命の原子核の構造の研究などを行っています。

研究室紹介のスライド プレスリリース(2017.02.02)

天体核反応の研究

   全ての物質を構成している元素は、水素を除くと、約138億年前に起きたビッグバンで作られた陽子と中性子が原子核反応を起して作られました。 重水素、ヘリウム3、ヘリウム4等の軽元素は、ビッグバン直後の元素合成反応で作られました。 炭素、窒素、酸素、鉄、金、鉛、ウラニウム等は星の中で起きた元素合成反応で作られたと考えられていますが、いつ、どこで、どのような反応で、どれだけの元素が作られたかは、良くわかっていません。 新星・超新星等での高温高密度の環境下では、短寿命核が崩壊して安定な原子核になる前に陽子や中性子を捕獲する反応が起きます。 鉄周辺のピークより重い元素の約半分が合成されたと考えられています。
   元素の起源に関する諸問題の解明には、短寿命核の原子核反応の反応率(反応の起りやすさ)の実験による決定が必要です。 このため、短寿命核ビームを用いた原子核実験を行っています。

新同位体探索実験

   自然界で10-9秒以上の寿命を持つ原子核は、陽子と中性子から作られています。 自然界で安定に存在する原子核は約300種存在しています。 理論計算では10-9秒以上の寿命を持つ原子核は約10000種あると考えられていますが、これまでに存在が確認された原子核はその1/3の約3200種にすぎません。 超新星などで起きている元素合成過程(早い中性子捕獲過程、r過程)で通る原子核の多くも存在が確認されていません。 私逹は、未知の原子核を生成し、その性質を調べています。

原子核構造の研究

   短寿命の原子核の中には、安定な原子核がもっている魔法数が消失したり、安定核と異なる数が魔法数となっている原子核があります。 原子核反応で短寿命核を励起し、その脱励起時に放出されるγ線や崩壊時に放出される陽子や中性子などを測定することで、短寿命核の構造や形状などを調べています。