研究のページ

主要な研究テーマ

インビーム核分光による安定線から離れた陽子過剰原子核、中性子過剰原子核の核構造の研究
原子核は陽子と中性子で作られています。自然界で安定に存在できる原子核(安定核)より陽子または中性子が多い原子核を不安定核と呼びます。不安定核には安定な原子核と異なる特徴をもつものがあります。このメカニズムを調べるため、不安定核ビームを安定な原子核 (水素、重水素、ヘリウム、炭素、鉛等)に照射して不安定核を励起し、脱励起時に放出されるγ線や陽子等を測定することで、不安定核の構造を調べています。

逆運動学重水素非弾性散乱反応による³⁴Siインビーム核分光 (Phys. Rev. C67, 064315 (2003))
中間エネルギークーロン励起による²⁰Mgの2⁺励起状態の研究(Phys. Rev. C78, 024306 (2008))
³⁶Caクーロン分解、²⁸Sクーロン励起

天体核反応の研究
星の中では原子核反応が起きている。この反応でエネルギーが生成され、星が輝き、我々をとりまく元素が合成されている。この核反応を定量的にしらべ、星の進化のシナリオや、元素がどのよな反応をへてできたか調べている。

クーロン分解反応による天体核反応(⁷Be(p,γ)⁸B)の研究 (Phys. Rev. Lett. 83, 2910 (1999), Phys. Rev. Lett. 90, 232501-1-4 (2003), ワークショップ「S17の精密決定に向けて」, 宇宙核物理ワークショップ「天体核反応研究の戦略」) 等
²⁰Mgクーロン分解
組み換え反応による天体核反応の研究
beam-test experiments of Magnetic Spectrograph PA (2002/03, 2004/03)

理化学研究所、東京大学、立教大学、東京工業大学、埼玉大学、ドイツ連邦共和国GSI研究所等と共同研究を行っています。

最近の実験

新同位体探索実験(MS11-09,RIBF)	2011年10月17日-31日
²²Mg(αp)²⁵Al反応実験(CRIB)	2011年10月14日-31日
²¹Na(p,p),(p,α)反応実験(CRIB)	2011年2月28日-3月8日
²⁰²Os探索実験(FRS000,GSI)	2010年10月26日-11月2日
³⁰S(α,p)反応実験(CRIB)	2010年9月4日-13日
¹⁸Ne(α,p)反応実験(CRIB)	2010年6月15日-25日
⁷Beのα共鳴散乱実験(CRIB)	2010年4月4日-11日
¹¹C(α,p)反応実験(CRIB)	2009年6月20日-30日
¹²N(p,γ)反応実験(CRIB)	2009年5月20日-24日
^10,11C→⁹C実験(S341,GSI)	2008年7月24日-27日
³⁶Caクーロン励起実験(R407n2,RIKEN)	2008年5月13日-20日
²⁸Sクーロン励起実験(R407n1,RIKEN)	2008年4月14日-16日
³¹Clクーロン分解実験(R403n,RIKEN)	2008年4月1日-11日

2007年以前の実験(理研, HIMAC, GSI, CYRIC)

将来計画 RI ビームファクトリー(理化学研究所) 「Search for unbound excited states of proton rich nuclei」, SAMURAI International Workshop 2011, 2011年3月,理化学研究所 日本の核物理の将来・不安定核物理ワーキンンググループ(27Nov2010) 「Search for unbound excited states in proton rich nuclei」, SAMURAI Workshop-Towards first experiments, 2010年11月,理化学研究所 「Experimental determination of (p,γ) reaction cross sections relevant to the rp- and νp-processes using Coulomb dissociation and stripping reactions」, 分野融合型研究会「第２回天体観測、隕石分析、天体核物理学による同位体組成と元素の起源の研究」,2010年2月, 国立天文台(三鷹市) 「⁵⁶Ni近傍でのrpプロセスの流れ」, 宇宙核物理連絡協議会主催第２回研究戦略ワークショップ「日本の核データ～天と地の核エネルギー」, 2009年7月,理化学研究所 「Flow of rp process around ⁵⁶Ni - reaction rates of ⁵⁶Ni(p,γ)⁵⁷Cu and ⁵⁷Cu(p,γ)e⁵⁸Zn」, 研究会「爆発的元素合成での水素燃焼とνpプロセス、rプロセスとの競合」, 2009年2月,理化学研究所 「Study of Nuclear astrophysics using the Coulomb dissociation method in RIBF」,International workshop on "Nuclear Physics with RIBF", 2006年3月, Wako, Tokyo, Japan 「陽子同時検出による不変質量法と検出器」, SAMURAI(超電導多重粒子磁気分析器)ワークショップ, 2005年8月, 理化学研究所 SAMURAI working group 「クーロン分解法による天体核反応の研究」, ワークショップ「RIビームファクトリーと研究計画」, 2003年3月, 理化学研究所 Study of proton-rich nuclei with the Coulomb dissociation method, International Nuclear Physics Advisory Committtee (RIBF), June 2001, RIKEN. GSI FAIR 「New features in the Monte Carlo code MOCADI」, 4th international expert meeting on in-flight separators and related issues, 2010年12月,GSI, Darmstadt, Germany

貢献 ソフトウェアー開発/改良 CC7700+Linuxを用いたCAMACデータ収集システム [英語版] (freeware) MOCADI: a Universal Code for the Transport of Ions through Matter within Ion-optical Systems GMOCADI: Graphical User Interface for MOCADI

賞 日本物理学会論文賞, 1997年3月30日