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#author("2024-03-30T11:15:43+00:00","","")
* [[よしなしごと]] [#x635baa9]

** ポスドク生活(お金関係) [#x253492d]

生活していくには、銀行口座とかクレジットカードとかが必要になります。
日本で暮らしていればこれらを持つにはあまり苦労しませんが、アメリカにきた外国人が最初に苦労することの一つが、これらを持つための努力です。

*** 銀行口座について [#uf47877d]

Lawrence Berkely Lab. (LBL) のポスドクになる前に、KEKの協力研究員として Brookhaven National Lab.(BNL) に行きました。
このときに最初の銀行口座を作りました。
BNLの敷地内には研究所で働く人や研究の為にやってきた人の為に、銀行の支店がありました。
昔から居た人に依れば、過去には別の銀行の支店があったようですが、自分が行ったときには、Teachers Federal Credit Union (TFCU) の支店がありました。

この支店で口座を開くために必要なものは、パスポートや運転免許書などのIDの他に、研究所のIDカード(ラボ)だけでした。
研究所に入る為には、いろいろ証明をした上で顔写真入りのラボIDが発行されます。
研究所がすでに所属などを確認して発行されているラボIDですから、銀行はそれ以上要求しなくてもよいということのようです。

銀行口座には、saving account と checking account が有ります。
Saving account は、日本で言う普通預金口座で checking account よりも利率も高めに設定されています。
Checking account は、当座預金口座で、小切手での支払いをするとこの口座から引き落とされます。
Checking account に十分な残高がないと小切手での引き落としが行えないので、小切手を使う場合には前もって十分な金額をこの口座に入れておく必要があります。

日本では個人での支払いに小切手を使う人はあまりいませんが、アメリカではスーパーやレストランでの支払いなどにも良くつかわれています。
小切手には金額を記入する他に、その小切手を現金に換えられる人(店)の名前を書く欄、口座の持ち主のサインの欄があります。
万が一小切手帳を落としても銀行にすぐその旨届ければいいわけですし、checking account から残高を減らしてしまえば引き落とされないので、その分現金を持ち歩くより安全ということになります。

アメリカでは大量の現金を持ち歩くと危険な場合もあるので、殆どの人は財布に$100も入れていないと思います。
現金の代わりによく使われているのが小切手とクレジットカードです。

銀行によって額が異なりますが、saving account も checking account も口座を維持するための最低維持金額が設定されています。
この金額を下回ると、口座維持費として一定の金額が毎月引き落とされていきます。
TFCU の場合は、研究所で働く人を主な対象としていることから、この口座維持費が低めに設定されていました。
銀行としてはリスクが少ないと判断していると、想像されます。

日本と違って、銀行のATMから自分の口座の預金を引き出すには手数料は掛かりません。
ただし、他の銀行のATMから引き出す場合には手数料が掛かることがあります。
口座を持っている銀行が提携しているかどうかで、いつでも手数料が無料だったり、ある時間には手数料が掛かったりします。

*** クレジット・カード [#x8758f1b]

「クレジット」とは「信頼・信用」です。
このクレジットはお金の支払いに関するものですので、アメリカでお金を使った履歴のあまり無い外国人がクレジット・カードを持つことはほぼ不可能だと思います。

そのような人や、成年になったばかりの人向けに用意されている、セキュア・カードと呼ばれるものがあります。
見た目は、クレジット・カードと同じで、VISAなどブランドがついたカードです。
このセキュア・カードは、銀行口座を開くときにすすめられることがあります。

クレジット・カードとの違いは、銀行口座の残高と使用可能限度額が連動している点です。
銀行口座に使用可能限度額と同じ金額を常に預け続けることで、このカードは使用できます。
つまり、銀行口座にある残高が支払いの担保になっており、セキュア・カードを発行している銀行から見れば、支払いが滞った場合には口座を差し押さえればいいことになります。
最初はセキュア・カードを使い、借りた額を遅延無く返していけば、そのうちクレジット・カードの誘いのダイレクト・メールが届くようになります。

また、アメリカのクレジット・カード、セキュア・カードで使用した金額は日本のように自動引き落としをされることは、自分が住んでいた2000年代前半では殆どありませんでした。
支払いは、オンライン・バンク(電話やインターネットから)のシステムを使って、自分で指定された口座に振り込みます。
あるいは、小切手をしてされた期日までに郵送で送ります。

これは、支払額を各個人が自由に設定できるようになっているためでした。
日本と違う点は、物を買う場合もキャッシングの場合もどちらにでも利子が付く点です。
日本の場合、クレジットカードで物を買った場合には利子は付かず、キャッシングではつきます。

アメリカではセキュア・カード、クレジット・カードを使った買い物と支払いについての履歴(credit history)が何処かのサーバーに記録され続けているそうです。
銀行やクレジット会社はこの履歴を参考にして個人の信用度を格付けしているようです。

クレジット・カードを長く使っていて良い history が貯まると、「上限を上げませんか」、とか「利率を見直して利率が安くなりました」といったダイレクトメールがやってきました。
また、いろいろなカード会社からカードを作る勧誘がやって来ましたが、自分の場合はすぐには作らず、航空会社のマイレージが貯まるカードの誘いが来るまでまっていました。


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