KEK-PS E559



Physics Motivation

現在、クォークとグルーオン間およびグルーオンとグルーオン間に働く強い力は 量子色力学(Quantum Chromodynamics, QCD)によって記述されると信じられています。 高エネルギー領域ではQCDの摂動的な取扱が可能であり、QCD計算といくつもの実験 結果でよく一致した結果が得られています。一方で低エネルギー領域に目を向けると QCDによってハドロンの質量やハドロン間の相互作用も記述されなければ なりません。しかしQCDの非摂動的な振舞からまだQCDのフレームワークは 発展段階であるといえます。 もっともナイーブなクォークモデルではバリオンは3つのクォーク(qqq)、 メソンはクォーク・反クォーク対(q \bar(q))からなると考えており、 この最も簡単なモデルでもハドロンの電荷、スピン、パリティなどを理解すること ができます。またハドロンの質量もクォーク間の有効相互作用を取り入れることに よって計算されてきました。このようなフレームワークを用いると、 エキゾチックな粒子、例えばテトラクォーク(qq\bar(q)\bar(q))、 ペンタクォーク(qqqq\bar(q))、ハイブリッドメソン(q\bar(q)g)、 ダイバリオン(qqqqqq)などが理論的に予言されてきました。 QCDは粒子はカラーシングレットであることを要求しており、 クォークの数については何の制限もしていないからです。 このようなエキゾチック粒子を発見し、その性質を調べることは 新たな見地からクォーク間の動力学についての理解を深めることに つながると思います。

Observation of penta-quark Θ+

ペンタクォーク Θ+についての報告はSPring-8/LEPS Collaboration(T.Nakano et al.) によって最初になされました。質量は1540MeVで幅は実験の分解能で制限されており 上限値として25MeVが与えられました。すぐさまCLAS、DIANA、SAPHIRなどの Collaboratoinによっても確認されました。 SPring-8/LEPSの解析の動機はD. Diakonov et al.によるchiral soliton modelに よる予言によるものでした。

For Collaborators