Kimiko Sekiguchi
こんにちは。関口仁子です。私の専門は原子核物理学(実験)
です。研究テーマは、原子核を形作るチカラである核力を実験
的に解明すること。特に、三つの核子が同時に作用する時に働
く三体力(三体核力)に興味を持っています。
原子核の中では、数多くの陽子と中性子(総称して核子と呼び
ます)が非常に狭い領域に閉じ込められています。その中で働く
核力は,これまで湯川秀樹によって提唱された中間子交換理論
を基礎に、2つの核子の間を中間子という粒子を交換すること
で説明される2体力として理解されてきました。近年、実験・理論双方の研究の飛躍
的な進展により、核力の理解が大きく変わりつつあります。その中の最重要課題の一
つが「三体核力」です。
三体核力は,3つの核子間で相互作用する核力です。理論的には、1957年に発表
された藤田・宮沢型三体力などが予言されていたのですが、実験による検証が難しい
状況が続いていました。この状況を変えるきっかけとなったのが、我々のグループに
よる重陽子・陽子弾性散乱の高精度測定による三体核力効果の発見でした(実験は、理
化学研究所加速器施設において実施)。以後、三体核力に関する研究は、重陽子・陽子
散乱の枠を超え、元素合成の解明に必要な中性子過剰核などの性質,また超新星爆発
や中性子星と密接な関わりをもつ高密度核物質へと展開されつつあり、その重要性が
注目を浴びています。即ち三体核力の理解は、未解決の宇宙・天文物理の重要問題と
直結しているともいえるでしょう。
原子核の様々な現象において三体核力の果たす役割が注目される中、私のグループ
では、少数系散乱から三体核力を実験的に明らかにする研究を推進しています。この
様な真空系における三体核力研究の面白さは、三体核力そのものの”生”の情報が得ら
れること、またクォークが核力の中でどのようなダイナミクスを持つのか、というこ
とに直接触れられることだと思います。実験結果を理解するためには、もちろん理論
研究との共同研究は欠かせません。しかし、どちらが優位、とかいうこともありませ
ん。実験と理論の両側面から新しい核力の姿を明らかにしていくプロセスは非常に楽
しいものです。私はこの研究を通して、最終的に、宇宙の成り立ちを統一的に説明す
る、そういう場 (field) を築くことを目指しています。
実験は主に理化学研究所(理研)のRIBF、東北大学サイクロトロンラジオアイソトー
プセンター(CYRIC)、大阪大学核物理研究センター(RCNP)の加速器を使って行って
います。
私の研究グループでは、新しい核力の物理を自ら切り拓きたい・アプローチしたい、と思っている意欲ある若手研究者&学生の皆さんを待っています!
第42回猿橋賞を受賞することになりました(2022.4.25)。
関口は4月1日より東京工業大学理学院物理学系の教授に着任いたしました。
エキゾティック核物理グループ の web page を更新しました (2022.4.21)。
Member を更新しました (2022.4.21)。
日経サイエンス2022年2月号「挑む」に掲載していただきました (2021年12月)。
東北大、理研、九大で開発中の偏極陽子標的のビームテストを東北大CYRIC で行いました。九州大学若狭研究室が建設した 2ndFPP 検出器のテストも同時に行いました (2021年12月)。みなさん、お疲れ様でした。
M2の齋藤由子さんが、SNP school Incentive prize を受賞しました。おめでとう! (2021年12月)。
我々の陽子-ヘリウム3散乱測定に関する論文が Physical Review C 誌の Editors‘ Suggestion として掲載されました (2021年4月12日)。論文はこちら。
photos” をアップデートしました (2020.10.2) 。
Mini Workshop の情報を追加しました(2019.7)。
青葉山の面々に紹介されました(2019.4)。
Introduction
Name :
関口仁子
Major :
原子核物理(実験)
Affiliation :
東京工業大学理学院物理学系
東北大学大学院理学研究科(委嘱)
Status :
教授
Email :
kimiko @ phys.titech.ac.jp
Address :
〒152-8550
東京都目黒区大岡山2-12-1
About OUR LAB. (東北大関係)
3. グループメンバー
About KIMIKO
学生の皆さんへ
LINK
進行中のプロジェクト
科研費:基盤研究S “三核子系散乱による核子間三体力の完成”
特別講義
“Six Lectures of Nuclear Forces ”
学会